インタビュー

「演劇と熊本が出会う」? Komatsuno Unit代表・小松野希海インタビュー

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10月に市民会館シアーズホーム夢ホールで上演されるKomatsuno Unit / 転回社 第三回公演『ロミオとおてもやん』。

本公演を企画した、Komatsuno Unit代表・小松野希海へのインタビューをお届けします。

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ーーーーKomatsuno Unitは今回で第三回目公演を迎えますが、Komatsuno Unitがそもそも何かというところから教えていただけますか?

小松野:熊本を拠点に活動するミュージカルユニットです。私は本格的にミュージカルがやりたくて東京に行って活動してたんですけど、やっぱり熊本が大好きだから、本当は熊本にいたいなっていう気持ちが強かったんですよ。そんな時に、演出家の亀井純太郎さんとお会いして、じゃあ熊本でミュージカル創りましょうっていう話になって、一番はじめにミュージカル「Kaguya Hime?」を上演しました。その時にユニットの名前を考えようということになって、「Komatsuno Unit」と名付けたのがはじまりです。

 

ーーーーなるほど。第一回公演の「Kaguya Hime?」に出演した役者さんは、小松野さんが出てほしいと思った方々だったんですか?

小松野:私が出てほしいなって思う役者さんももちろんいましたけど、亀井さんが「この人いいよ」って連れて来てくださる方もいらっしゃいました。

 

ーーーーKomatsuno Unitというのは、「劇団」ではないんですかね?

小松野:メンバーはその時限定なので、劇団ではないですね。企画って言ったら近いのかな。なんて言うんでしょうね、フェスティバルに近い感じかも。

 

ーーーーなるほど。「Kaguya Hime?」はどんな公演だったんですか?

小松野:「Kaguya Hime?」は、実は最初はお試しぐらいの気持ちでやりましょうって亀井さんには言われていた公演でした。でも、いろんな人に声をかけているうちに、結局、熊本で上演するものとしてはかなり多い25人ほどの役者さんが集まって、あれよあれよと膨らんでいっちゃって。5回上演したんですけど、回を追うごとにリピーターの方とかが増えて、最終的にはキャンセル待ちが出るくらいの公演になりました。「何かが始まったぞ!」みたいな空気感がすごくある公演でしたね。

 

ーーーーかぐや姫をアレンジしたミュージカルですよね?

小松野:そうですね。「新喜劇」+「ブロードウェイ」みたいな、笑えるミュージカルみたいなのを作りたいというところからはじまりました。翁がロックミュージックに合わせて踊ったり、5人貴族が「光る公達」って名前でローラーブレードを履いてたり、かぐや姫もすごいおてんばだったり、いろいろなアレンジを加えました。もちろん、原作にはいない新たなキャラクターも登場させたりして、とっても楽しかったですね。

 

ーーーーその公演の成功があって、二年後にミュージカル「CAPPA!」を上演したわけですが、こちらはどんな公演だったんですか?

小松野:芥川龍之介の「河童」をモチーフにしようということは決まっていて、最初は、なんか冗談で「キャッツ」みたいな感じにしようと言っていたんですよ。「Kaguya Hime?」はお祭りという感じで、企画自体をなんとか盛り上げなくちゃという気持ちが強かったんですけど、その後で国府にstudio in.K.というミュージカルスタジオを構えていくつも作品を作った分、「CAPPA!」は作品としての完成度を高めようっていう意識が実は高くなっていました。だから、公演の雰囲気は、似てるようでちょっと変化があった公演だったかなと今振り返ると思います。出演者も50人くらいに増えてたし。「Kaguya Hime?」の時には一人ひとり見せ場があったけど、さすがに50人になるとそういう見せ方は難しくなって、戯曲家・演出家ともに頑張っていただいたなと思います。

 

ーーーー会場も広くなって、お客さんも増えましたか?

小松野:お客さんも2倍ぐらいには増えましたね。出演者も2倍になって、お客さんも2倍。でもお客さんも目が肥えてくるから、やっぱりシーズン2っていうのは何でも難しいんだなと思いましたね。人数が増えただけではびっくりしてくれない、というか。もちろん、作品の質も上がっていっているとは思うんですけど。

 

ーーーーなるほど。さて、今回は「Kaguya Hime?」「CAPPA!」を踏まえての第三回公演なわけですが、今回は市民会館シアーズホーム夢ホールでの上演で、さらに大きな会場になりましたね。市民会館での上演を決めたきっかけは何かありますか?

小松野:ちょっと遡って話すんですけど……。私が劇団四季にいた時に「赤毛のアン」で全国ツアーを回って、市民会館で公演をしたんですよね。自分としては、凱旋公演みたいな感じ。その時のお客さんの喜んでいる姿を見たり歓声を聞いたりした時に、やっぱり舞台って、その場にいないと見てもらうことができないんだなと痛感しました。どこか遠いところで撮ったものが届くわけじゃなくて、熊本にいないと熊本の人に見てもらえない。そういう体験があるから、その感動をもう一度じゃないですけど、同じ場所で同じように、たくさんの人にミュージカルを届けたいという気持ちがある。だから、第一回目の「Kaguya Hime?」の時から、私の中では市民会館のイメージがあったんですよね。それが、やっと第三回目で実現できたって感じ。

 

ーーーー今回、やっと夢が叶ったんですね。

小松野:大劇場って演者もお客さんもたくさん集まるから、ブワーッと大きなエネルギーが出るイメージがあります。もちろん小劇場でも心震える公演たくさんあるけど、大劇場は大劇場で、生の人たちが一つの場所に集まって、感動したり心が動いたりしている空間にはすごいエネルギーがあって。私は、やっぱりそういう雰囲気が好きなんですよね。それに、こんな風に「え、そんなのやっちゃうの?」っていうくらいの挑戦をすることで、Komatsuno Unitとかin.K.の存在とか、そこでの活動のことをもっと知ってほしいという思いもあります。

 

ーーーー今回は「挑戦」という意味合いが強いですか?

小松野:それは間違いなく。正直な話をすると、私はまあ大丈夫だろうと思っているんですけど、周りが結構やばいぞって言っているから、とんでもない挑戦かもしれないって思い始めています。もちろん、最初から余裕という感じではなかったんですけど。

 

ーーーーでは、内容についてもお話を伺いたいと思います。今回、なぜ題材として「おてもやん」を取り入れようと思ったんですか?

小松野:第一回公演の時から「熊本産ミュージカル」っていうのを一貫して言っているから、やっぱり熊本の材料を使いたかったんですよね。それに、おてもやんのことをよく知らなくても、ちょっと喜劇っぽくて明るい感じがするじゃないですか。おてもやんっていう単語だけで、笑いの要素が感じられる気がしたんですよね。そこに、どんな人でも知ってる舞台作品の要素を加えたいなと思ったときに、「ロミオとジュリエット」の名前だけは誰でも知ってるなと思って、おてもやんと組み合わせることにしました。すると「演劇と熊本が出会う」ことになると思ったんですよね。私は熊本で演劇・ミュージカルをやりたいという思いでここまで来たから、コンセプトとしては非常にぴったりだなと感じています。

 

ーーーーなるほど。「演劇と熊本が出会う」というのは、今回の作品を熊本の人が見て、Komatsuno Unitの公演に出会ってほしいみたいな感じですか?

小松野:そうですね。今まで舞台を見たことがない人が、どうやったら少しでも興味を持って足を踏み入れてくれるだろうかって考えて。題名は、そういう人たちが気軽に劇場に来てくれるきっかけみたいなことだと思うので、少しでもとっかかりのあるものを探していました。

 

ーーーーとなると、やはり「熊本」というとろにポイントがあるんですね。

小松野:そうですね。熊本に住んでいる人が観て面白がれるものにしていきたいです。

 

ーーーー一番観てほしいのは、熊本に住んでいる人ですか?

小松野:たとえば京都みたいな圧倒的な文化があるところって、結局は県外の人が来るようになるじゃないですか。あれは、京都の人たちがそれに誇りを持っているから他県からも来るんだと思っていて。だから、まずは私たちは熊本の人たちの誇りというか、自慢になるようなものを作る。他県の人たちに観てほしいみたいな願いは、後からついてくるものだと思うんですよね。

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Komatsuno Unit / 転回社 第三回公演『ロミオとおてもやん』は、10月5、6日に市民会館シアーズホーム夢ホールにて上演されます。

公演の詳しい情報は、こちらをご覧ください。

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